要約結果

こんにちは!
ヨシボウです🎵
本記事では、親鸞聖人の主著である『歎異抄』をこれから読んでみようと考えている方に向けて、その基礎知識と、読む前に知っておくとより深く理解できるポイントをお伝えしたいと思います。
『歎異抄』は難解だと思われがちですが、いくつかのポイントを押さえれば、きっとあなたにとっても人生の羅針盤となる名著になるはずです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは、はじめていきましょう🎵


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そもそも『歎異抄』ってどんな本?


『歎異抄』は、鎌倉時代に親鸞聖人の弟子である唯円(ゆいえん)が、師である親鸞聖人の教えを正しく後世に伝えるために書き記した書物です。
当時、親鸞聖人の教えが誤って伝えられたり、異なる解釈が生まれたりする「異義」が広まっていたため、唯円はそれを深く憂い、聖人の真意を明らかにするためにこの書を著しました。
いわば、『歎異抄』は親鸞聖人の「肉声」を伝える書であり、その思想の核心に触れることができる、とても貴重な文献です。
著者は誰?親鸞聖人と唯円
『歎異抄』は、親鸞聖人の教えをまとめたものですが、実際に書いたのは親鸞聖人ご本人ではありません。
著者は、親鸞聖人の弟子である唯円です。
このことは、『歎異抄』を読む上で非常に重要なポイントになります。
なぜなら、唯円がどのような意図でこの書を著したのかを知ることで、より深くその内容を理解できるからです。
唯円は、親鸞聖人から直接教えを受けながらも、当時の仏教界に広がる様々な「異義」に心を痛めていました。
聖人の教えが、一部の人によって都合よく解釈されたり、本来の意図とは異なる形で伝えられたりしている現状を見て、「このままでは聖人の真意が失われてしまう」という危機感を持っていたのです。
そうした背景から、『歎異抄』は、親鸞聖人の教えを正しく後世に伝えるための「異義を歎く書」として生まれたのです。
『歎異抄』が書かれた時代背景:鎌倉仏教の変革期
『歎異抄』が書かれた鎌倉時代は、日本仏教において大きな変革期を迎えていました。
それまでの仏教は、一部の貴族や知識人の間で受け継がれることが多く、一般の人々にとっては非常に難解で、日常生活からかけ離れたものでした。
しかし、鎌倉時代になると、社会の変動とともに、誰もが救われることを求める声が高まり、新しい仏教が次々と生まれてきます。
親鸞聖人が開かれた浄土真宗も、そうした新しい仏教の一つです。
従来の厳しい修行や戒律ではなく、阿弥陀仏の「本願」を信じ、念仏を唱えることで誰でも救われるという「他力本願」の教えは、当時の人々にとって大きな希望となりました。
『歎異抄』は、このような時代の空気の中で、親鸞聖人の教えがどのように受け止められ、また誤解されていったのかを垣間見ることができる書物でもあります。
『歎異抄』の主要なテーマ:これだけは押さえよう!


『歎異抄』には、親鸞聖人の思想の核となるいくつかの重要なテーマが繰り返し語られています。
これらを事前に知っておくことで、よりスムーズに内容に入り込むことができるでしょう。
1. 他力本願(たりきほんがん)
浄土真宗の最も重要な教えの一つ。
これは「自分の力」で悟りを開くのではなく、「阿弥陀仏の力(他力)」によって救われるという考え方です。
私たちは、どれだけ努力しても煩悩から完全に解放されることはできない「凡夫」であるという自覚に立ち、阿弥陀仏の慈悲にすべてを委ねることで、真の救いが得られると説きます。
2. 悪人正機(あくにんしょうき)
これもまた、浄土真宗の教えを特徴づける重要な思想です。
善人であると自負する者こそが、自らの力に頼ろうとする「自力」の心に囚われ、救いから遠ざかる危険性がある、ということを示しています。
悪人とは、自らの煩悩に気づき、自力ではどうしようもないと諦め、阿弥陀仏の本願にすべてを委ねる「凡夫」の姿を指します。
親鸞聖人は、煩悩を抱えた私たち凡夫こそが、阿弥陀仏の本願によって救われるべき対象であると説きました。


3. 信心(しんじん)
『歎異抄』で語られる「信心」とは、私たちが阿弥陀仏の本願を疑いなく信じ、その救いを疑わない心の状態です。
信心は、知識や理性によって得られるものではなく、阿弥陀仏の側から与えられるもの。
一度この信心が定まれば、私たちは迷うことなく念仏を称えることができるようになります。
4. 往生(おうじょう)
「往生」とは、この世の命を終えた後、阿弥陀仏の浄土(極楽浄土)に生まれることを意味します。
浄土真宗では、この往生は、私たちが現世での修行の成果として得るものではなく、信心が定まった時にすでに決定しているものと考えます。
『歎異抄』を読む上での心構え


ここまで『歎異抄』の基礎知識をお話ししてきました。
実際に読み始める前に、いくつか心構えをしておくと、より深く、そして楽しく読み進めることができるでしょう。
1. 現代語訳から入るのがおすすめ
『歎異抄』は鎌倉時代の古文で書かれているため、そのまま読むのはなかなか難しいかもしれません。
というか、古文に精通していないと読めませんw
まずは、分かりやすい現代語訳から読み始めるのがおすすめ。
多くの出版社から様々な現代語訳が出版されていますので、いくつか比較して、ご自身に合ったものを選ぶと良いでしょう。
漫画で読む歎異抄や、オーディオブックなども入門には適しています。
おすすめは『私訳 歎異抄』(五木寛之著)です。
何度読み返したことか。。
とても読みやすく、スッと理解できますよ🎵
2. 一度で全てを理解しようとしない
『歎異抄』の教えは奥深く、一度読んだだけでは全てを理解するのは難しいかもしれません。
焦らず、何度も読み返し、その都度、心に響く言葉や気づきを大切にしてください。
3. 「自分ごと」として読む
『歎異抄』に書かれている教えは、遠い昔の出来事や、特別な人のためのものではありません。
私たち一人ひとりの人生や、日々の悩み、苦しみに寄り添う普遍的な真理が込められています。
書かれている内容を「自分事」として捉え、自らの心と照らし合わせながら読むことで、きっと新たな発見があるはずです。
4. 背景を知るとより深い理解に繋がる
前述した通り、親鸞聖人の生涯や、唯円の思い、そして当時の時代背景を知ることは、『歎異抄』の理解を深める上で非常に役立ちます。
関連書籍や解説書を参考にしたり、オンライン講座やセミナーに参加したりするのも良いでしょう。
おわりに:まずは気楽に読んでみよう


『歎異抄』は、生きることの意味や、人間の苦悩、そして救いについて深く問いかける名著です。
初めて読む方にとっては、少し敷居が高く感じられるかもしれませんが、その中には、きっとあなたの人生を豊かにする大切な言葉が隠されています。
この入門ガイドが、あなたが『歎異抄』という素晴らしい書物と出会うきっかけとなり、その奥深い世界に触れる一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
ぜひ、あなたのペースで、ゆっくりと『歎異抄』の世界を旅してみてくださいね。
さいごまでお読みいただき、ありがとうございました。
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